「ロット100個でも、オリジナルの箱が作りたい!」
…でも、こんな少しの量でも作れるの?
今回はこんな方に向けて、私なりの考えと小ロットでもできるアイデアを紹介します!
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100個で箱のフルオーダーは、正直難しい
先日、こういったご相談がありました。
- お土産や贈答用に使える化粧箱を100個くらいのロットでオーダーしたい。
- 色々なところで見積もりを取ったが、金額が想像よりもはるかに高い
- そもそも、100個なんていうロットがない
- でも、オリジナルの箱は欲しい!!
…うんうん、わかります!!
箱って高いですよね。
私は地方でパッケージデザインの仕事をしていますが、同じようなご相談は今までにたくさんありました。
では、100個で完全オリジナルの箱を作るのは本当に難しいのでしょうか。
無理ではないけど、あまり現実的でないと思っています。
箱をオリジナルで作るときには、
・紙の仕入原価
・印刷代
・加工代(抜き・貼り加工など)
・製版代(初回のみ)
・木型代(初回のみ)
…など色々なコストがかかっています。
私がお世話になっている箱のメーカーの方からは、
最低でも15万円程度は必要
だと言われました。
(メーカーや箱の種類、加工方法によって値段は違うので、一概にこの値段というわけではありません。)
仮に100個のロットで15万円かけて箱を作ったとすると…
1個1500円の箱になってしまいます。
ちなみにオンラインの印刷サービスの場合を調べたら、サイズや種類によってはその半額くらいでも作れるようでした。
それでも600円越え…。
多くの商品の場合、ここまでの経費を価格に転嫁するのは難しいと思います…
だからって諦めない!小ロットの場合の箱のアイデア
そういうわけで、私は 100個単位など小ロットの場合は
既製品の箱を使うことをおすすめしています。
そして、既製品を使いつつも
いかにオリジナリティを出せるか工夫する方法を考えます。
では、具体的にどんなアイデアがあるのでしょうか?
一例を紹介していきます!
①セミオーダー
既製品の箱をベースにして、箔押しや印刷だけオリジナルで入れてもらう
「セミオーダー」という方法があります。
例えば、パッケージ通販というサイトで販売されているこの箱に箔押し加工をした場合の単価を計算してみたところ
1個あたり216円でした。
※箱の単価+データ作成、加工代、箔版代などの初期費用を全て足して個数で割った単価です。
②箱+掛け紙(帯)
既製品の箱に、細長い紙に印刷を入れた「掛け紙(帯)」を巻けば簡単にオリジナルのパッケージになります。
こちらは「羽車」という印刷会社さんの帯の事例。
風合いのある紙に箔押しも入って、すごく高級感があり素敵です…!
これと同じ条件で帯を100枚作る場合だと、1枚あたり178円(箱代除く)です。
なるべく安価で抑えたい!という場合は印刷通販で安価な「チラシ・フライヤー印刷」を使うとかなり単価を抑えられます。
例えば小さめの箱だったら、印刷通販でA4に収まる変形サイズで印刷。
印刷通販グラフィックを使った場合だと、
1枚あたり17.2円です。
(A4・片面カラー・マットコート90kg・9日納期の場合。価格はキャンペーンにより変わります。)
業界最大規模の品揃えを誇る実績と信頼の「印刷の通販 グラフィック」③箱+シール
箱にシールを貼るだけでも、手軽にオリジナルのパッケージになります。
例えば印刷通販グラフィックを使って、5センチ角の大きさで一番安い「上質紙」にフルカラー印刷でシールを作った場合の価格を調べたところ
1枚あたり28円でした。
その他にも透明のシール用紙に白インクを敷いて印刷すれば、まるで箱に直接印刷したかのような仕上がりにすることも可能。
同じく印刷通販グラフィックで透明シールに白印刷をした場合だと、
1枚あたり37.6円でした。
(グラフィックだと無料で白インクのオプションがつけられるのです…!
透明シールに白だけで印刷、も可愛いですよ。)
④箱にスタンプ
あまり表面がデコボコしていない材質の箱なら、スタンプを押すというのも1つの案です!
1個1個、かすれなどの表情が違うのも温かみがあって良いと思います。
みんなのはんこ屋というサイトでは、オリジナルのスタンプが安く作れるようです。
デザイナーにとってはIllustratorやphotoshopなどのデザインソフトで絵柄を自由に作れるのが嬉しいところ。
画像のようなスタンプを5センチ角で作った場合の価格は、
スタンプ1個 3,190円でした。
ちなみにスタンプを使う場合は、箱を組み立てる前の平らな状態でスタンプを押しましょう!
このように、少しの手間をかけることで既製品の箱でもオリジナリティを出すことは可能です。
小ロットの場合は、まずは既製品を使ってリスクを避けながら小さく始めてみてはいかがでしょうか。
…とはいえ、仕上がりの美しさは
やっぱり完全オリジナルの箱にはかなわない!
1個ずつシール貼りなどをしていたら手間もかかりますしね…
商品が売れるようになってたくさんの箱が作れるようになった時には、
ぜひ完全オリジナルのパッケージに挑戦してみてくださいね。