オリジナルのパッケージを作るときは、ロットを増やすと1個あたりのコストが下がります。
1000個でも5000個でも、合計金額が同じなんてことも良くある話。
「ま、パッケージは腐るもんじゃないし、たくさん作っとこっか」
…そういって、過剰な数のパッケージを作ってたくさんの在庫をかかえる方に多く出会います。
特に地方の場合は、場所なら豊富にあるので(笑)。
では、本当に「パッケージは腐らない」のでしょうか?
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パッケージは腐ります
腐る…といっても本当に腐るわけではありませんが、間違いなく年月とともにパッケージは「劣化」します!
色あせはもろにイメージダウン
お店で、「この商品のパッケージ、なんか色あせてるな〜」と感じたことはありませんか?
箱、シール、紙袋など、パッケージに使われる印刷物は主に色の4原色から構成されています。
どうしても紫外線などで色あせは起こってしまうものなのですが、
4原色の中でも、色あせしやすい色としにくい色があります。
イエローやマゼンタなどの、いわゆる暖色系の色は色あせが起こりやすい色と言えます。
あきらかに色あせていることがわかってしまう商品は、
「ずっと置いてあったのかな…」
「売れてないのかな?」
とマイナスイメージを与えます。
売り場での色あせは避けられない部分もありますが、自分で保管している間くらいは注意をしておきたいものです!
箱やシール、紙袋などは絶対に直射日光の当たらないところに保管しましょう。
そして、なるべく早く使い切れるサイクルで発注しましょう!
シールは粘着力が落ちる
小さなお店などにパッケージの打ち合わせに行くと、
「このシール、前回の発注はいつでしたか?」
「う〜ん…10年以上前ですかねぇ…」
「じゅ、10年!?!?」
なんていう事が、実はけっこうあります。
シールは長期間使わずに置いておくと粘着力が低下し、くっつきにくくなったり剥がれやすくなってしまいます!
売り場に並んだ商品のシールがぺろっと剥がれてしまったら、大変ですよね。
シールの印刷会社に目安を聞いたところ、メーカーとして品質が保証できるのは半年までとのこと。
10年以上保管しても問題なく使えている、という場合もありますが、長くてもだいたい2〜3年で使いきれるくらいが望ましいです。
紙製の箱は、「虫」に注意!
ギフト箱などの紙の箱、ダンボールは虫の温床になってしまうかも!!
湿度が溜まりがちな倉庫に長期間保管していたら、
なんと箱に虫が住みついていた…なんてことも!
食品のパッケージの場合は特に気をつけないといけません。
こちらも長くても2年ほどで使い切れるくらいが安心です。
パッケージの保管まとめ
①保管場所は、直射日光の当たらない湿度の低いところで!
②だいたい2〜3年で使い切ろう!
パッケージ「デザイン」も劣化する?
物理的な品質だけでなく、「見た目」も劣化する場合もあります。
流行のデザインはすぐに使えなくなる
パッケージに流行のデザインを取り入れていたり、キャッチコピーの言い回しが時代を限定してしまうようなものだと、パッケージデザインの寿命も短くなります。
それを「たくさん作っちゃったからもったいないし…」と、流行が終わってもパッケージを使い続けてしまうと、消費者には時代遅れなイメージをあたえてしまうかもしれません。
例えば、「インスタ映え」や「#(ハッシュタグ)」という言葉をデザインに入れていたらどうでしょうか?
数年後には完全に使えなくなっているでしょう。
デザインは一度作って終わりではない
また、パッケージは一度作ったら終わりではなく、
作る→売る→検証する→改善する の繰り返しです。
市場に出してみて、その結果を受けてどんどん改善していくのです。
新しい商品の場合は、特にそうです。
そんなとき、パッケージをたくさん作ってしまったがためになかなか切り替えができない…なんていうことを避けたいもの。
特に、初めて作るパッケージの場合は発注の量は控えめにして、様子を見て行ったほうがいいかと思います。
パッケージの「法律」も変わる
パッケージに表示しなくてはいけない表示も、時代によって決まりごとがどんどん変わっています。
最近の例だと、
食品表示法の改正で栄養成分表示やアレルゲン、添加物表記が義務化されました。
それによって、多くの食品メーカーでパッケージの作りなおしがされました。
法律が変わることで、どうしてもパッケージを作りなおさなくてはいけないという事態は起こります。
それにスムーズに対応するためにも、パッケージの在庫をかかえすぎることはしないようにしましょう。
「たくさん作って、たくさん売るぞ!!」と意気込んでパッケージをたくさん作るのは良いと思います。
でも、「どうせなら作っておくか…」というくらいの気持ちの場合は、生産料や販売量に見合った量を作る方がいいと思います。