地元に帰省した際、直売所でこんな商品を見つけました。
チャック付きの透明無地の袋に入れて、売られていました。
皆さんはこのパッケージ、「良い」と思いますか?
今回は、このパッケージが「良いのか」、「良くないのか」について考えてみたいと思います。
ラベルの商品名は、「田んぼアート」。
地域おこしのイベントの一環である「田んぼアート」で収穫された黒米だと思われます。
※田んぼアート(たんぼアート)は、田んぼをキャンバスに見立て色の異なる稲を使って、巨大な絵や文字を作り出すプロジェクト、またその作品。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
コンテンツ
ゴール設定でパッケージの良しあしは変わる
「良いパッケージ」とされるパターン
まずは、このパッケージの状態で、どのような人が商品を購入するかを想像してみます。
- すでに田んぼアートの取り組みを知っている
- 地元住民
- 自宅用
- 買ったらすぐに使う
- 黒米をふだんから食べている
- 黒米の食べ方を知っている
・・・おそらく、このような特徴になるのではないでしょうか。
「田んぼアートで採れた黒米が欲しい地元住民」に商品を届けるという目的であれば、このパッケージは「良い」と思います。
「商品を容器に入れて届ける」という手段は達成されている。
パッケージをわざわざ作ったりしていないから価格も安い。
チャック付きだから家でそのまま保管もできる。…バッチリです!
「良くないパッケージ」とされるパターン
では、「田んぼアートの取り組みをもっと知ってほしい」、「黒米を食べたことがない人にも試してほしい」、「地元以外の人にも地域をPRしたい」という目的だったら・・・??
当たり前ですが、その場合はこのパッケージでは伝わりません。
・田んぼアートって何なの?
・これ、どうやって食べるの?
・‥(そもそも目に入らない)
では、目的達成のためにどんなパッケージにする方法が考えられるでしょうか?
- 袋をもっとしっかりしたものにする
(ビンなどに容器を変えても良いかも) - 目にとまるビジュアルにする
- 田んぼアートの取り組みについて説明を入れる
- 食べ方の説明やレシピを入れる
- QRコードでHPやSNSアカウントに誘導する
- 田んぼアートの絵柄の写真を入れて、この黒米が絵柄のどの部分で採れた米か?を分かるようにしたら、さらにストーリー性が生まれるかもしれません!
毎年、鑑賞会も有料で開催しているようなので、来年の鑑賞チケットをつけても良いかも?!
…なんて色々アイデアが浮かんできます。
この場合はパッケージを作りこむ費用や人件費等のコストも追加されるので、価格は2倍、3倍になるかもしれません。それでも、「ストーリーを売る」ことで価格は受け入れられると思います。
(そもそもこの量で230円は相当安い!)
このように、
「誰に届けたいか」
「その人に届けて何を叶えたいか」
によって、パッケージの考え方は全く変わってきます。
ゴールを明確にして、それぞれの目的に合ったパッケージを冷静に考えましょう!