佐藤卓氏の講演から考える、パッケージをデザインするということ。

2020年1月19日に滋賀県の日野町立図書館で開催された、グラフィックデザイナー 佐藤卓氏の講演会に行ってきました。

テーマは「デザインの力。身近なデザイン、町のデザイン」。

「デザインする」ということの本質の話から、地域におけるデザインのこれからの役割まで・・本当にたくさんの大切な話を聴くことができました。

「明治 おいしい牛乳」をはじめとして、パッケージデザインも多数手掛けられている佐藤卓さん。

講演の中で、パッケージのデザインについても学ぶ点があったので、それをまとめたいと思います。

①パッケージの役割とは「まず買ってもらうこと」

パッケージデザインの役割は、「まず1回目に買ってもらう」ことだと述べていました。
中身がよければ商品は2回目、3回目とリピート購入されます。

まず商品を手に取り、知ってもらうためのファーストステップを担っているのが「パッケージデザイン」なんですね。

②どんなパッケージデザインが良いのか?

① のステップから、2回目、3回目とリピート購入されていくうちに、パッケージデザインは消費者の頭の中で「記号化」されていきます。

みなさんがいつも買っているものを想像してください。
お店で買う時、パッケージデザインなんてまじまじと見ないですよね。
「いつも買っているこれ」と認識して、パッと手にとるのです。

だから、明解なデザインでないといけない。

ゴチャゴチャしていたら認識されません。そもそも売り場がゴチャゴチャしていますし。

「◯◯といえばコレ」とアイコン化されていく明解さが、売れ続けるパッケージには必要なのだと感じました。

③画期的でない商品に、画期的なパッケージはできない

デザイナーは、「間をつなぐ」ことが仕事。
アーティストが自分の作品で想いを表現するのに対して、デザイナーは今あるものを適切に届けていくことが役割となります。
つまり、商品とパッケージはイコールである、ということ。

「『画期的なパッケージにしてください!』と依頼されても、中身も画期的じゃないと無理ですよねぇ(笑)」とおっしゃっていました・・!

これはデザイナー側である私も気をつけなければいけないと思ったのですが、「この商品をもっとよく見せるぞ!」というマインドでデザインしてしまっていることがありました。
でもそれは、少し目的がずれてしまっていたんですね。

商品を作る側もデザイナー側も、中身の良さや特徴、コンセプトを素直に伝えていくこと。
「売る」「とにかく目立つ」「話題性を持たせる」などの目先のことで視野が狭くなると、この大切なことを忘れてしまいそうです。
気をつけていきたいところです。

④売り場での陳列まで意識する

佐藤卓さんがデザインされた「ロッテ キシリトールガム」のパッケージデザインには、奥歯をモチーフにしたイラストが配置されています。
このイラストにも実はこだわりがある、と教えていただきました。

普段、コンビニやスーパーの売り場では、ガムは「横向き」に置かれていることが多いです。

しかし、キオスクなど売り場スペースが限られた店舗の場合は「縦向き」にして売られています。

「ガムは縦向き、横向きの両方で陳列される」という最終的な売り場まで意識して、奥歯のイラストは縦横関係なく、どちらからでも見ることができるようにしているそうです。

実際の売り場でどう見えるか?パッケージデザインをする前には、事前に売り場を目で見てリサーチしておくことが重要になりそうです!

④まとめ

全体に言えることになりますが、デザインとは「最適に間をつなぐ仕事」と表現されていました。 

パッケージでいえば、

商品(中身)を適した容器に包装して、

・お客様に買ってもらえるデザインを施して、

手元に届けること

→そして、継続的に買っていただくという最終目的につなぐこと

になるでしょうか。

ローカルパッケージも、地域の魅力ある商品とお客様の間をつなぐ重要な役割を担っているのだと再認識し、身が引き締まる思いでした。

地域におけるデザインの仕事についてもお話をしてくださったので、それも改めてまとめられたらと思います。
佐藤卓さん、また主催者様、日野町図書館の皆様、意義のある時間を本当にありがとうございました!!

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