レジ袋有料化など、プラスチックごみ削減についての話題が多い昨今ですが「過剰包装にならないために、何か基準はあるのか?」について調べてみました。
先日、亀田製菓とブルボンへプラスチック過剰包装の削減を呼び掛けた女子高生の署名活動が話題となりました。
亀田製菓さん、ブルボンさん:プラスチックの過剰包装を無くしてください!
社会問題に目を向け行動する高校生の行動力とともに、現状の個包装の良さや包装の役割について多くの人が考える機会になったと思います。
それに限らずSDGsやレジ袋有料化など、プラスチックごみ削減についての話題が多い昨今ですが、ふと気になったのは「どこからが過剰包装と言えるのか?」ということ。
ということで、今回は
「過剰包装にならないために、何か基準はあるのか?」
について調べてみました。
コンテンツ
適正包装のための規制とは
包装適正化の取り組みとして、日本包装技術協会(JPI)が提示している
「適正包装七原則」を参考に、地方自治体などで条例化されています。
包装適正化七原則
出典:JPI原案作成
①内容物の保護または品質保全が適正であること
②包装材料および容器が安全であること
③内容量が適切であり、小売の売買単位として便利であること
④内容物の表示または説明が適切であること
⑤商品以外の空間容積が必要以上に大きくならないこと
(通常の商品全般についての平均的目安として、中身商品以外の空間容積率が20%以下とする)
⑥包装費が内容品に相当して適切であること
(通常の商品についての平均的目安として、商品価格の15%以下とする)
⑦廃棄物処理上適当であること
この七原則の特徴は、
・包装の空間容積
・包装費比率(商品価格のうち包装資材費の割合)
について具体的な数字で目安が提示されているところ。
つまり、
・パッケージの中で占める空間の20パーセント以上が商品以外
・商品価格のうち15パーセント以上が包装資材費
この条件を超えてしまうと、数字上は「過剰包装」になる、ということですね。
実際、この数字をもとに多くの自治体で包装適正化に向けた条例が定められているようです!
例えば大阪市の場合だと…
大阪市の条例を例にとって見てみましょう!
(1)必要以上に空間容積の大きなもの
中身がガサガサしていたり、必要以上に内容品と内容品の間仕切りを多くとっていたりするもの。
過大包装の目安としては、空間容積が15%以上のもの。
(七原則では空間容積率が20%以下となっているところを、
大阪市は「15%」になっていて、少し厳しめの設定になっていますね。)
(2) 必要以上に包装経費をかけたもの
包装経費は価格に含まれています。
包装経費がかかりすぎると、それだけ販売価格も割高なものになってしまいます。
過大包装の目安としては、包装経費が15%以上のもの。
他にも、
(3)内容品を実量以上にみせかけ、ごまかしているもの
(4)包装容器が、他に使えるように見せかけたもの
という項目があります。
引用元:大阪市HP 過大包装基準について
実は私、恥ずかしながらこの適正包装の基準について今まで知りませんでした。
特に包装経費については、小ロットの場合だとどうしても単価が高くなる傾向があるため15%はすぐに超えてしまいそうな数字です。
今後、パッケージのサイズやコストについて考える際の基準として覚えておきます!
つまり「誤解させないこと」が重要
パッケージにはちゃんと役割があって、
品質やおいしさを保つため、破損を防ぐための機能性はもちろん
美しいパッケージにより「情緒的な満足感」を与えることもできます。
お菓子を個包装にしたりトレーに入れたりすることで空間容積や包装経費は上がってしまいますが、それは商品を安全に届けたり実際に食べるシーンを考慮して考えられた「必要なパッケージ」です。
要は、上げ底をしたり意図的に商品を大きく見せるような行為で
商品を買った人に誤解を招いたり不快になるようなパッケージが
「過剰包装」だと解釈しました。
容積比や包装経費の基準は目安として参考にしつつ、
そのパッケージで「何が必要で何が必要でないのか?」を
見極めることが大事なのではないでしょうか。
それを見極めるためにも、
「誰が、いつ、どのように」使う商品なのかを考える必要があります。
しっかりと商品のコンセプトを作り込むことで、過剰包装を防ぎ適正包装にもつながると思います!
コンセプトを確立させて使用シーンを思い浮かべながら、過剰包装を防いでいきましょう!