パッケージデザインに関する情報は世の中にたくさんあるけれど、それは果たして地方の小さな商品にもあてはまるものなのでしょうか?
過去にあの偉大なデザイナー佐藤卓さんにアドバイスいただいた事をまた思い出したので、書き留めておきたいと思います。
コンテンツ
講演での学びをふり返り
2020年1月19日、滋賀県日野町にて佐藤卓さんによる地域とデザインについての講演がありました。
【講演について記録をした記事はこちら!】
佐藤卓氏の講演から考える、パッケージをデザインするということ。
その時のパッケージデザインについての私の学びは下記の通りでした。
- ①パッケージの役割とは「まず買ってもらうこと」
- ②「◯◯といえばコレ」と頭の中で記号化される明解なデザイン
- ③画期的でない商品に、画期的なパッケージはできない
- ④売り場でどう陳列されるかまで意識する
そして、デザインとは?との問いに対して「最適に間をつなぐ仕事」とも表現されていました。
ただ見た目をかっこよくしたりすることがデザインなのではなく、物事をよくするための仕組みを作る営みすべてが「デザイン」なのだと述べられていました。
(だから「デザイナーズ◯◯」という言葉は嫌いだそうです。
本来、すべてのものがデザイナーズ◯◯のはずだから。)
地方だからこそできる事って何ですか?
講演終了後、図々しくもご挨拶をさせていただき、私が普段感じている悩みを伝えて見ました。
「地方のパッケージデザインをしていると、予算やロットなどに限りがあることが多くて、なかなかやりたいことができない。
限られた条件の中で、地方ではどんなパッケージデザインができるのでしょうか?」
※この通りではなかったかもしれませんが、こんな意味合いの質問をさせていただきました。
思いっきり遊んじゃえばいいよ!
その問いに対しての佐藤卓さんの答えは、
「そんなの、思いっきり遊んじゃえばいいんだよ!」
大手企業の大きな案件は予算は動かせても、たくさんの決まりごとがあったりコンセンサスを得なければいけなかったりと、実はとても不自由なのだそうです。
それに対して小さな規模の事業はのびのびと自由にできるのだから、とことん「遊び」の要素を盛り込んでみたらどうか、とアドバイスいただきました。
実際、佐藤卓さんも地方の案件の時は「すごく遊んでるよ!」との事。
そんな佐藤卓さんの「遊び」が詰まった地方ブランディングの事例がこちら!
ほしいも学校。学校です。(笑)
ほしいも学校とは、茨城県・ひたちなか及び東海地域で生産されるほしいもを、あらゆる角度から分析・研究し、干し芋を通して人の営みと環境を考え、未来へと繋ぐプロジェクトです。
ほしいも学校HP 「ほしいも学校とは?」
茨城県の名産品である「ほしいも」を通して、商品開発やワークショップ、イベントなどで地域の魅力を感じることができる様々な取り組みをしている活動です。
学校だから、教科書を作っちゃったり。
帯には「ほしいも学校 校歌」が(笑)。
「世界ほしいも大会」を開催したり、
「ほしいも神社」を作っちゃったり。
(写真を見つけられませんでしたが、本当に神社があるんですよ!!)
ちなみにほしいも神社は、「ほしいものが手に入る」そうです。
ダジャレですね。(笑)
たしかに、真面目に、本気で遊んでますね…!!
きっとプロジェクトに関わっている方々も、心から楽しんでいるんだろうなぁということが伝わってきます。
私も遊んでみました
そんな佐藤卓さんの言葉を思い出しながら、
私も遊びながらパッケージデザインしてみました。
滋賀県湖南市の伝統野菜・弥平(やへい)とうがらしを与えた鶏の卵のパッケージ。
とうがらしの健康効果で鶏が元気になり、美味しい卵が生まれるというこの商品。
パッケージ前面には…
こんな漫画を入れて遊んでみました。
ムキムキの鶏さん。
本当にいいのかな?と思いながら提案しましたが採用されました(笑)。
それも嬉しかったし、
何より自分がデザインを作っていて楽しかったです!
パッケージに遊び心を入れることで
「笑顔」や「人に伝えたくなる気持ち」が生まれ、
パッケージが「コミュニケーションツール」になっていく。
パッケージは商品と人だけでなく、人と人をもつなぐことができるのではないかと思います。
そんなパッケージを私も生み出していけるよう、日々精進します!
改めて、佐藤卓さん、本当に良い学びをありがとうございました。